たかがアサリ、されどアサリ。
今季も残念なお知らせです。これが日本の普通になりつつあります。
今季も潮干狩り中止 知多半島西岸、アサリ成育不良で
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20160301/CK2016030102000048.html
伊勢湾とその周辺の開発の歴史、一度整理しないといけませんね。
木曽岬干拓、名古屋港、長良川河口堰、セントレア・・・・。アサリの大量発生場所も
ほぼなくなり、浮遊幼生をシェアし合うネットワークも伊勢湾では消えつつあります。
水平方向の流れだけでなく、鉛直方向の流れも滞りがちで、栄養塩類がよごれとして停
滞する悪循環を招いているように思います。
昔、熱波で六条潟のアサリが全滅した時、松坂から購入した母貝でしのいだことがあり
ました。三河のアサリ関係者は伊勢への恩を忘れてはいません。
昨年6月1日・2日には第3回国際アサリシンポジウムを津で開催させてもらい、伊勢
の漁業水産関係者の皆様方にも希望を持って頂いたと思います。伊勢に六条潟のアサリ稚
貝あるいは三河湾の母貝を供給する用意はあります。そして、愛知、三重に岐阜を加えた
3県で伊勢湾のアサリ資源回復に取り組みましょう。
しかし、成果が出るまで継続させるためには長良川河口堰の常時開門と、設楽ダム建設
の中止が必要不可欠です。
三河湾と比較してその他の産地のアサリの年間漁獲高は
東京湾、伊勢湾、瀬戸内海、有明海はともに春の大潮ひと潮分。日本のアサリ産業と、漁労
を含めた伝統食文化を支えているのはシステムとしての六条潟・三河湾です。
これも大事
11月から4月いっぱいは店頭に並ぶ圧倒的多数は輸入品です。ノリ養殖とアサリ漁場は重
なり合う部分が多く、漁業者の就業も春夏にアサリ、秋冬にノリと経営の安定化と資源保護
のために組合わせられています。
国内の事情から輸入品で代用するのは仕方ないにしても、その多くがいまだに餓死者の出る北朝鮮を原産とするものです。さらに、国内の海域を一時保管の場としている「蓄養制度」、観光潮干狩り場への直播放流も続けられています。輸入品も大潮に漁獲されたものが貨物船で大量にやってきますが、小潮には入荷がありません。この自然の摂理から発生する物流の波を、販売の都合「売りい時に売れるだけ」に合わせることが蓄養の目的です。
この蓄養制度が、アサリの食害種、寄生種、病原体を国内産地に蔓延させました。実は、富栄養化の問題よりもこちらの流通の闇の方が日本のアサリ資源を縮減させています。
たかがアサリ、されどアサリ。港湾公害の被害拡大(赤潮・青潮)による生物生産性≒漁業生産性の低下、餓死者の出る国からの食料の輸入、外来の病気や食害種の移入、食品の不安・不信・・・。
結論として
開けるだけで長良川にも伊勢湾にも良い河口堰を開けっ放しにすること、六条潟・三河湾のアサリ生産システムを破壊する設楽ダムは作らせないこと。
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