愛知県長良川河口堰最適運用検討委員会のはたらき
【経 緯】
長良川河口堰開門調査は、大村秀章愛知県知事の3つの公約(三河湾再生、設楽ダム見直し、長良川河口堰開門調査)の一つ。
平成24年1月から国土交通省に対して、「長良川河口堰に関する合同会議」を開きませんか ? と呼び掛けているものの、いまだに合同会議は開かれていない。長良川河口堰の開門は、庁内にも検討チームを作って、平成24年から毎年1回開いて報告書を出している。
国交省に対して「なぜ開門しないのか」と言う質問書の提出を行っている窓口機関は「愛知県長良川河口堰最適運用検討委員会」で、過去に送った質問書に対する国交省の「かくかくしかじかで開けられない」回答に対して、それでも開けて欲しい愛知県は、国交省に再度質問する内容の検討を3月31日(木)に行う予定。
【国交省への質問と回答】
国交省への質問は3部[環境、治水と塩害、利水]構成
全体が愛知県の質問に真摯に答えておらず、重要と思われる資料も「ない」と回答したり算定根拠も示されないものが多い。
1環 境 国交省は、事例として挙げている水質と底質、ヨシ帯、アユに関して、評価
に値する河口堰運用後の事後調査は行っておらず回答不能。
2治水と塩害 国交省は建設前の塩水遡上や洪水時の記録の消失、計算方法の誤り、また、
河口堰運用後の堰上流及び下流の河床高の把握もしていなかった。従って、
「開門すると1,600haの農地に塩害の恐れがある」と言う論拠がないこと
が分かった。加えて、根拠の不確かな塩害の恐れを農業従事者らに吹聴し
ていたために、開門調査への懸念に繋がったものと思われる。
3.利 水 高度経済成長期を算定基準とした過大な水需要をいまだに用いて、河口堰の
必要性を主張しているが、河口堰運用後の供給量と使用料を比較すれば”水
余り”は明らかである。水道利用している知多市民からは、「長良川の水は
まずいので、元の木曽川の水に換えて欲しい」との要望がある。
【意見書について】
以下のようなこと、意見書には記載できますので参考に
1の環境は、国交省の河口堰運用後の、堰直上の淡水赤潮の発生頻度を問うたり溶存酸素を問うたりできます。堰下流の赤須賀漁協のアサリの漁獲高の推移を示す資料の要求は有効です。また、孵化直後のアユの降下や親ウナギの降下に対する河口堰の影響なども質問項目に加えたら良い。
2の治水と環境は、長良川そのものが上流からの土砂の流下量が多い川なので、河口堰建設工事中にも出水のたびに想定外の堆砂分を浚渫していた可能性があることを質問項目に加えたら面白い。運営から20年後の河口堰内の河床高を最新の計測方法で、しかも公開で測定する提案も有効。
3の利水については、知多や三重県北部の住民からの意見提出が望ましい。
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